それは、車が頻繁に行き交う大通りに面している一角にありました。

無秩序に増改築を繰り返し「苦しそうに」まだかまだかと思いを寄せる。



まだ、何も無い空間に身を置いて耳を澄ましてみると

その空間から何か聞こえるような気がします。

私は土地の声に耳を傾けます。



デザインとは、どれだけ格好の良いものでも景観を乱していては良いデザインとは言えません。



そこで、土地が持つ力を感じ、空間を空間として認知できるディテールを考える事。

そして、そこに最小限の時代性をエッセンスとして加える事。

今回の場合、無垢材のフローリングと椅子、革張りの椅子とシャンプー台

天然素材を基調に空間を埋め尽くします。



最小限のソリッドな素材の構成に光を集中させる事で、改築を繰り返していた空間は本来の
艶を取り戻したようです。



人が存在する場所に光を集中させることでオンステージが生まれ

訪れる全ての人が主役となって頂ける空間。



それがcouleur。



何か落ち着く。

何かまた来たくなる。

その「なにか」というフレーズ

これがデザインの力なのかもしれません。



naOtO fukui