創業90年以上にもなる中庄商店は、愛知県北名古屋市に本社を構える。

鰻の卸売業からその歴史が始まり、代々継承されて来た目利きの技術は、
鰻、淡水魚にとどまらず、四代目となった現在は、和牛、マグロ、ジビエ等の卸業も手掛け
飲食事業にも参入するなどその勢いは全国に範囲を拡大している。

今回はうなぎ料理を中心に天ぷら料理をメニューに組み込み、うなぎを気軽に楽しんでももらう為のお店として
東京の名だたる人気店がひしめき合うエリア、また美食家が集う街、虎ノ門に出店を決定。

ホテル、オフィス、住居などが集約された複合施設である
虎ノ門ステーションタワーの商業施設4階にうなぎの中庄虎ノ門ヒルズ店はあります。

うなぎの姿を彷彿させる為に丹精込め塗られたグレー色の特殊塗装にグラフィカルな暖簾で構成したファサードデザインは、
明快で分かりやすくうなぎ屋としてのアイデンティティーを表現するとともに、
見る人の位置により人工的ではなく天然であることを感じていただける様に制御し、
これまで培ってきた食への拘りや品質を感じていただけるデザインを創造します。

また、壁の一部に白(左官仕上)を用いることで人が動いた時に躍動感を生み、
デザインが人を後押しする壁面で構成しました。

世界を舞台に活躍する文化人やアーティストが集うクリエイティブな街に振り切ったデザインではなく、
そこを使う人の居心地を優先し「街に優しいデザイン」として認知されるお店になってほしい。

それが結果として認められたデザインになると信じています。