ラグジュアリーブランドからトレンドを発信するセレクトショップが集約された複合施設である
ミッドランドスクエアの4階にしゃぶしゃぶと焼肉 わにく店はあります。

初めてこの空間を訪れた際、昨今の建材が高騰している状況からは想像できない華やかな印象を感じる一方で、
移りゆく時代の変化に耐えきれない寂しさがありました。

今回の洋から和への改装工事では完全に新しくするのではなく、時代を継承しつつ
この先も時代の変化に耐えうる空間を目指すことがこの場所に居続ける存在意義であると捉え、
既存の取捨選択をすることからデザインをスタートした。

店内が見渡せるようオープンであったファサードは既存のエイジングサッシに和紙を施した光壁でクローズにすると共に
大胆な暖簾で既存洋業態から和業態へのデザインの一新を狙った。

また、遮光率を86%に抑えた暖簾からは外を行き交う人の移動によって店内の様子が垣間見れる様に入店動機を促します。

店内は特殊塗装とひび割れた土壁、経年変化で深みを増していく鉄染によるフローリングで構成された
自然素材を主とした職人による手仕事の集積で創ります。

中でもオリジナルのモルタル造形の什器は、日本を代表する御影石から着想を得て空間の中央に鎮座させることで
コミュニケーションが促進することを狙っています。

そして、この什器が持つ力強さが神戸牛を中心に日本を代表するブランド牛を扱うお店のブランディングの一如を担っている。

既存意匠と対話を重ねながら人の手が加えられていく姿を想像し、
豪華絢爛な洋空間から職人の手仕事により繊細で暖かみのある和モダンな空間に昇華させる事に成功した。



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